至誠通天

良い行いも悪い行いも、お天道様はご照覧

ボクシングを始めました。

僕がボクシングを始めたのは大学に入学した時でした。
ボクシングが好きで、好きで仕方なかった僕でした。

高校時代にボクシング部があれば必ず入部していたと思いますが、その当時は、大阪に2校しかなかったように記憶しています。

大学の入学式の日に、ボクシング部に入部する気満々で歩いていたら、少林寺拳法部に勧誘されました。勧誘されたというより、無理矢理連れて行かれました。
僕は全く少林寺拳法部に入部する気はなかったので、断り続けましたが、まぁひつこい。
でも最後は「僕はボクシングをしますから入部しません!」と、はっきり言ってそこから出て行きました。

ボクシング部に入部したのはその次の日だったと思います。
やっとボクシング部の部室を見つけたけれど、誰もいなかったので部室の前で待っていました。
すると、当時の主将が「お~、ボクシングしたいんか?」といって近づいて来られました。
第一印象は「この人、本間にボクシングしはるんかな。」という感じの優しい顔立ちの先輩でした。
でもその先輩はその年に行われるモントリオールオリンピックの最終選考会となる全日本選手権に出場される程の方でした。

僕のボクシング人生はここからはじまりました。
このボクシングが僕の人生にとって大きな礎になっています。
今の体力も、考え方もボクシングが原点です。

入部してから暫くは、毎日毎日左ジャブの練習ばかりで、左腕が痛くて痛くてたまりませんでした。
ロードワークは毎朝、新聞配達をやりながらやっていたので練習最後のランニングには自信があったのですが、まだまだ甘かったです。

先輩の速さにそんな自信は吹っ飛びました。
それもただ走るだけでなく、ダッシュを入れる走り方であんなに速いなんて。
自分の増上慢でした。

いくらしんどくても練習は楽しかったです。
それは、ボクシングが好きだったからです。
何故ボクシングが好きかと言うと、自分一人で戦えるからです。
僕は、チームプレーというのが苦手です。
いずれそれも自分の増上慢だとわかります。
それはボクシングがチームプレーだからです。
リングの中で戦うのは一人ですが、それを支える人がたくさんいるのです。
ボクサーだけでなく、アスリートたちが「勝てたのは周りの皆さんのおかげです。」
と、よく試合後のインタビューなどで言っていますが、あれは本心だと思います。
それが分からないうちは強くなれません。
そして、その自分は強いんだ。自分は偉いんだという傲慢さが
社会という組織を乱す原因だということもいずれ分かってきます。

朝、新聞配達をして、それから大学へ行って、夕方からボクシングの練習。
充実していました。でも、世の中かそんなにうまくいかないんです。
それはその後思い知ることになりますがその時は分かりません。