至誠通天

良い行いも悪い行いも、お天道様はご照覧

3試合目は東京でした。

僕にとって3試合目は、東京のS大学との定期交流戦でした。
S大学との定期交流戦は、歴史があり一年おきに大阪で開催されたり、東京で開催されたりしていてその年は東京でした。
東京と言ってもS大学の学舎は埼玉県大宮市にありました。
東京まで新幹線で行って、在来線で大宮市まで行きました。
駅からかなり歩いた記憶があり、閑静な住宅地の中にS大学はありました。
到着して直ぐに計量。試合はフライ級、バンタム級フェザー級、ライト級、ライトウェルター級各1試合ずつ。
僕は、ライトフライ級でオープン戦で出る事になりました。
相手も1年生でそれほど恐怖は感じませんでした。
宿舎はS大学の寮でした。確か11月だったのでものすごく寒かったです。

試合当日、新聞配達をしているおかげで早く目が覚めたので散歩にでました。空気が綺麗で気持ちがよかったです。
試合は午後から開催されるため、午前中は自由行動でした。おかげでゆっくりできました。
試合開始までに、東京近郊におられるOBの方が何名か応援に来られました。

いよいよ試合開始。
マットがとても柔らかくて動き難かったですが、いつものように前へ出るボクシングで相手を攻めました。
ボクシングのキャリアは同じぐらいだと思い、ただひたすらスタミナにまかせて打ちまくりました。
僕が大振りだったこともあってか、よく避けられましたが、何とかダウンを奪ってニュートラルコーナーへ。
「もう立ってくるな」と、その時も思いましたが、相手は立って来ました。
もう一度攻め続けて2度目のダウンを奪ってニュートラルコーナーへ。
「今度こそ立ってくるな」と思いましたがまた立ち上がって来ました。
後1回ダウンを奪えば僕のRSC(レフリー・ストップ・コンテスト)で勝利ですが、
そこで第1ラウンド終了のゴングが鳴りました。
まだスタミナは十分残っていたので、第2ラウンドで決めてやろうとゴングと同時に走ってコーナーから出て行きました。
前へ出るボクシングで、開始早々打ちまくって相手がぐらついたところでストップがかかりRSC勝ち。僕が初めて掴んだRSC勝ちでした。
相手は、口の中を切っていたようで、口から血が流れていました。ちょっと可哀そうな事をしたかなという感じになりましたが、これは試合だから仕方ない。相手が強かったら僕が同じ目に合っていたかもしれない。そう自分に言い聞かせました。
その後の試合では、F君がフライ級で勝利、バンタム級フェザー級、ライト級、ライトウェルター級はそれぞれ先輩が勝って5戦全勝で我校の勝利となりました。
F君も初めてRSCで勝利していて嬉しそうでした。

試合後に交流会がありましたが、僕の相手は来ませんでした。
聞くと口の中の傷がひどくて病院へ行ってそのまま帰ってしまったらしいです。
負け試合の後に楽しい気持ちになんかなれないから、それもあったのでしよう。
他校の大学生と色々な話が出来て交流会は楽しかったです。

大学時代の楽しい思い出の一つになりました。