至誠通天

良い行いも悪い行いも、お天道様はご照覧

体重を増やしたい!

果物屋さんのバイトは、Ⅱ部に転部して初めての友達のNくんの紹介でした。
N君は、空手二段の持ち主で、僕がボクシングをしている事を一目見て当てた唯一の人です。
僕の顔のどこを見てボクサーと分かったんやろうか?
僕の顔ってそんなに崩れているのだろうかと、なんかショックでした。
N君に聞いてみると、目つきが鋭いので分かったと言っていました。
そうか目つきか。そう言われればそうかもしれないな。
その当時はとんがりまくっていたから、きつい目つきになっていたかも知れないな。

そんな事もあって、N君とはそれから仲良くなりました。
そして、彼がバイトしていた果物屋さんを紹介してもらったのです。
それもまだ運転免許を取る前に、予約すると言う前代未聞の事をお願いしました。
運転免許は、全てイッパツでクリアして本試験も一発合格でした。

そして、免許を取って次の日から、果物屋さんの配達のバイトに行きました。
もともと車の運転に興味があって、運転を上手くなりたい、という事から迷わずお願いしたのです。
そのバイトは、朝が早く、終わるのも早かったのでボクシングもできるし、学校にも行ける一石三鳥のバイトでした。
そのバイト先の社長さんに
「おい、取り立てで湯気の出てる免許証見せてみろ。おぉ、本当に昨日の日付や。お前、心臓やのう。」
と、冷やかされました。
顔は怖そうだけれど、面白い人だなと思いました。
バイトのメンバーもみんな楽しい人ばかりで、ここでもいい人たちに巡り会えて幸せでした。

朝、出勤して伝票通りの品物を用意して、車に積んで先輩の横に乗って出発。
後は、お得意さんのお店や工場の場所を覚えるのがビギナーの僕の仕事でした。
元々、自分で言うのもなんですが、天才的な地理感があり、道や場所を覚える事は簡単でした。
初めて運転する大阪の道は、とても怖かったです。
「マナーの悪さは日本一」と、変なレッテルを貼られていたので、反対に大阪で運転が上手くなったらどこででも運転できるとますます楽しくなりました。
狭い道や人通りの多い道、怖かったけれど楽しかったです。

ボクシングジムへは、早い時間に練習に行けたので、Nトレーナーのコーチも、プロの選手がおられなかったので、長い時間受ける事が出来てラッキーでした。
大学のクラブで練習しているより実力がついてきたと感じていました。
「早く試合がしたい。」そう思いながら毎日練習していました。

でもそれは、3回生になって果物屋さんでバイトするようになってからの話で、2回生当時は、アルバイト→ボクシングが時間的に厳しかった事もあって、体重が全然増えませんでした。
当時は、練習が終わって秤にのると45Kgを割っていました。食べても、食べても太りませんでした。
リーグ戦に出場するにはフライ級に上げなければいけませんでした。
フライ級のリミットは51kg。それはアッパーリミット。アンダーリミットもあるんです。それが48Kg。
だからフライ級というのは、48Kg以上51Kg未満が体重の条件です。